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- CSV・CSRとは
CSV (Creating Shared Value)とは、2011年にハーバードビジネススクールの教授であるマイケル・E・ポーター氏とマーク・R・クラマー研究員が発表した論文『Creating Shared Value』(邦題『経済的価値と社会的価値を同時実現する共通価値の戦略』)で提唱した概念です。経済的な価値を創出しながら社会ニーズも取り含み、社会的価値も創造するアプローチであるため、CSV(共通価値の戦略)と名付けられました。従来、経済効果と社会的価値の創出は相容れないものだと考えられてきましたが、その問題に対して、両者がお互いを高め合う状況を目指すのがCSVです。つまり、本業で社会的課題を解決することにより、経済価値と社会価値を同時に創造しようとするビジネス戦略のことを指します。
CSR(Corporate Social Responsibility)とは企業の社会的責任を意味します。例えば電機メーカーが森林再生プロジェクトを行なったり、飲料メーカーが文化財の保護に協力するなど、企業が普段携わっている事業とは関係のない活動も該当します。一方、CSVは「共通価値の創造」という意味で、企業の事業を通じて社会的な課題を解決し、「社会価値」と「企業価値」を両立させようとする考え方です。「社会的問題解決のビジネス化」とも言われます。CSRもCSVも社会的問題に向き合う点では似ていますが、CSRは「守り」、CSVは「攻め」の活動と捉えます。事業とは別の組織として行われる善行はCSR、ビジネスとして社会的課題に取り組むことがCSVです。
出典:マイケルEポーター、マーク・R・ワラマー 『共通価値の戦力』ハーバード・ビジネス・レビューより
ネスレは、共通価値の創造を「栄養、水、農村開発」と自社定義し、活動をしています。
具体的には、健康的な食生活と、運動も含めた健康的な生活習慣主要指標の2015年のパフォーマンスを推進するための「ネスレ ヘルシーキッズ プログラム」を84ヵ国で実施しています。
2015年成果報告によると、乳業工場を現地の地下水を使わずに操業する取水量ゼロ技術によりグローバル・ウォーター・アワードの企業ウォーター・スチュワードシップ・アワードを受賞しています。
また、カカオやバニラ、ヘーゼルナッツなどの主要なカテゴリーにおける児童労働の根絶に引き続き取り組み47,962の農業従事者に研修を実施。42の学校を建設・改修し児童労働モニタリングと改善要請システムの適用対象となるコートジボワールのカカオ農業協同組合の割合を50%に拡大しています。
出典 ネスレ公式チャンネル 共通価値の創造より
伊藤園は緑茶飲料市場のシェアを37%も獲得している大手飲料メーカーです。
伊藤園はCSV活動として、「緑茶の原料である茶葉を、安定的にかつ高品質で仕入れるための自社目的」と「農家の教育と安定的な収入の確保の社会的課題解決」の2つを取り入れた茶産地育成事業を行っています。
具体的には、茶葉農家と伊藤園が契約し、伊藤園のための茶葉を生産してもらう代わりに全ての茶葉を購入するという施策を実施しています。
伊藤園は茶葉の仕入れが安定し、同様に農家の収入も安定するためWinWinなビジネスモデルとなっています。
共通価値の創造は、企業が利益を出しながら社会に貢献していくという考え方です。企業が社会にどのように貢献しているか、それは企業のブランドイメージにも繋がっていきます。
これはベンチャーにとっても非常に重要です。理由としては、ベンチャーはこれから事業を伸ばしていく過程で、多く顧客を作っていかないといけません。社会貢献性があること、なおかつ事業の成長に寄与する行動は、これからの企業活動にとって不可欠なものとなるのは間違いないと言えます。
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