2022年度から環境省が鳴り物入りで開始した「脱炭素先行地域事業」という大型事業について、少し前になるが、23年8月31日にフォローアップの結果が公表されている(注1[1])。会計検査や政治的に取り組まれている「事業仕分け」以外は、多くの場合、やりっ放しで終わることが多い国の事業の中では、こうしたフォローアップは珍しく...
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2022年度から環境省が鳴り物入りで開始した「脱炭素先行地域事業」という大型事業について、少し前になるが、23年8月31日にフォローアップの結果が公表されている(注1[1])。会計検査や政治的に取り組まれている「事業仕分け」以外は、多くの場合、やりっ放しで終わることが多い国の事業の中では、こうしたフォローアップは珍しく...
アラブ首長国連邦のドバイで11月30日から始まった第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)での一つの気運は、2030年までに再エネを3倍増させようという目標への各国の合意だ。再エネと言っても、これから6年で3倍にできるとすれば、ほとんど太陽光発電と風力発電の2つしかない。再エネではないが、蓄電池も急速に増やすこ...
日本では、庶民も企業も、円安の影響もあって電気料金の高騰に苦しんでいる。ところが、「電気を使えばお金がもらえる」ところがある。 一つの例は、デンマークだ。風力発電が電力の60%を越えているデンマークでは、その風力発電の発電量が需要を大幅に超えるタイミングで、電力市場価格がマイナス(ネガティブ価格)になる時...
前回、今や世界では「太陽光・風力・蓄電池・EV・ヒートポンプ」という5本柱が、世界のエネルギー転換の軸となっていると伝えた。その流れに沿って、「1次エネルギー」という考え方そのものが廃れたものになり、不要になってゆきそうだ。 産業革命以後の化石燃料中心の世界では、エネルギー資源(原子力ではウラン)が「1次エネルギー」...
「ナラティブ」(narrative)という言葉がある。日本語ではあまり聞き慣れない英語だが、直訳すると「物語」という意味だ。「ナラティブ」について幅広く調査した大治は「さまざまな経験や事象を過去や現在、未来といった時間軸で並べ、意味づけをしたり、他者との関わりの中で社会性を含んだりする表現」(注1)と定義している。これ...
日本の再エネ化の進展があまりに遅く進まないため、海外の研究機関からの「助言」が相次いでいる。 一つは、今年3月の米国ローレンス・バークレー国立研究所からの報告書「2035年日本レポート電力脱炭素化に向けた戦略」だ※1。要旨は、2035年までに電力の90%をクリーンエネルギーで供給することは実現可能であり、...
今年(2023年)に入ってからの太陽光や風力への出力抑制が激しさを増している。2018年から出力抑制を開始した九州電力や昨年から出力抑制を始めたばかりの中国電力では、60%を越える出力抑制が何度も行われている。 そのため、再エネ出力抑制の「異様な増加」に対する苦境の声が相次いでいる。他の電力会社も足並みを揃えて出力抑制...
飯田哲也 環境エネルギー政策研究所 所長 世界が再エネ100へ加速している状況を示す報告が相次いでいる。1つは国際エネルギー機関(IEA)による「再生可能エネルギー市場アップデート」(2023年6月)で[1] 、世界全体で440〜500GWの再エネが追加されると予測している。IEAは、2022年...
飯田哲也 環境エネルギー政策研究所 所長 4月15日、ドイツが公約どおり、最後の原発3基を閉鎖し、原発ゼロを実現した。12年前に日本で起きた福島第一原発事故を受けて、メルケル独首相(当時)が倫理委員会を立ち上げて、事故からわずか4ヶ月後に17基の原発の廃炉を決めたと理解されているが、正確には異なる。 20...
飯田哲也 環境エネルギー政策研究所 所長 昨年来、1970年代を彷彿とさせる「エネルギー危機」が世相を騒がせている。生活に直結する「電力不足問題」やエネルギー価格の高騰がメディアを賑わせているが、より深刻な危機として、私たちの文明の存続を危うくしうる気候危機が横たわっている。これに対して、岸...
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