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- 河野太郎行革大臣の再エネ規制改革タスクフォースへの期待
2020.12.02
前号で頭出しした河野太郎行革大臣の再エネ規制改革タスクフォースがいよいよ12月1日から始まった。※1再生可能エネルギーの主力電源に向けて、「再生可能エネルギー等に関する規制等を総点検し、必要な規制見直しや見直しの迅速化を促す」ために、構造的な課題も含めて、聖域なく切り込んで見直すとしており、大いに期待したい。
第1回目は、世界のなかで日本だけが遅々として進まない風力発電の大きな「障害」となっている環境アセスメントの問題と、前々回に取り上げた容量市場について、いずれも真っ向から切り込んでいる。
風力発電の環境アセスメントについては、現行の1万kWの規模要件を5万kW、もしくはそれ以上に拡大することと同時に、どこまで迅速化できるかが問われている。第1回のタスクフォースでも、河野大臣は環境省の担当に向けて「『(時期が)わかりません』というのは、菅内閣では通用しない。それなら所管官庁を変えざるを得ない」と語気を強めて発言しているほど、力が入っている。
また、容量市場についても、既報のとおり極めて問題の大きな制度であったが、最大の「負け組」になる新電力の多くも、最初から諦め顔だったが、「タスクフォース構成員からの意見」は、経産省に対して「凍結とゼロベースの見直し」を提言するものだった。まったくの正論ではあるものの、これまで業界全体の腰が引けて言えなかった「正論」を、真正面からぶつけるもので、ここにも河野行革大臣の意気込みが感じられた。
今後も、送電系統と農地、発送電分離なども予定されており、いずれも再エネ普及の大きな障害であると同時に、担当省庁の本丸に切り込むテーマとなるため、次回以降の議論も大いに期待したい。まだ、始まったばかりとはいえ、まさに「菅内閣の一丁目一番地」に躍り出た2050年カーボンゼロと再エネ規制改革は、これからの展開から目を離せない。
※1 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/conference/energy/e_index.html
飯田哲也(いいだてつなり)エネルギー・チェンジメーカー
国内外で有数の自然エネルギー政策のパイオニアかつ社会イノベーター。
京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。
東京大学先端科学技術研究センター博士課程単位取得満期退学。
ルンド大学(スウェーデン)客員研究員、21世紀のための自然エネルギー政策
ネットワーク(REN21)理事世界風力エネルギー協会アドバイザーなど国内外で
自然エネルギーに関わる営利・非営利の様々な機関・ネットワークの要職を務めつつ
国や地方自治体の審議会委員等を歴任。
「北欧のエネルギーデモクラシー」「自然エネルギー政策イノべーション」など著書多数。
1959年山口県生まれ
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